ウイルスがせきやくしゃみでうつり、感染してから2~3週間後に耳の下、顎の下にある耳下腺、顎下腺や舌下腺が腫れて痛くなる病気です。

 特別な治療法はありません。症状や合併症に応じて、治療します。

 予防は方法は予防接種しかありません(抗体獲得率は90%程度)。麻疹や水ぼうそうでは、
接触後すぐに予防接種をすることで症状の出現を防ぐことがある程度可能ですが、おたふくかぜの場合あまり有効ではありません。

 感染すると頻度は高くないものの下記の合併症を発症する可能性があります。ワクチンの副反応の頻度の方がはるかに少ないと言えます。ワクチンを受けることをお勧めします。

(1)無菌性髄膜炎
  発熱、頭痛、嘔吐、けいれんなどが症状です。
  頻度は2-10%と言われています。ただし髄膜炎の症状のない場合でも、髄液の検査で、異常を示す場合も多いと言われています。
(2)脳炎・脊髄炎

  髄膜炎の症状の他に、麻痺や意識障害などが出現します。

  頻度は0.2%程度と言われています。

(3)精巣(睾丸)炎・卵巣炎
 ・思春期以前はまれですが、思春期以降の場合に合併することがあります。
 ・精巣(睾丸)炎は、成人男性の10~30%の頻度で起こり、耳下腺腫脹後4-10日くらいに多いとされます。まれに睾丸の萎縮を起こすこともあります。

(4)膵炎
 合併率は数%といわれています。

(5)聴力障害(難聴)
 ・合併率は 0.4%以下といわれますが、難治性で、回復しません。

(6)心筋炎
 おもに成人の合併症で、頻度としてはまれです。胸痛、頻脈、呼吸困難などの症状が、1~2週後から出現し、突然死することもあります。